概要
山形県新庄市で毎年8月24日から26日までの3日間開催される「新庄まつり」は、江戸時代中期に始まった歴史ある山車行事です。幅約3メートル、長さ約8メートル、高さ約4.7メートルにも及ぶ荘厳な山車(やたい)が、旧城下町ごとに組織される「若連(わかれん)」によって手作りされ、市内を巡行します。2009年には国の重要無形民俗文化財に指定され、2016年には全国33の「山・鉾・屋台行事」の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました【pref.yamagata.jp】(https://www.pref.yamagata.jp/020026/kensei/shoukai/yamagatamonogatari/matsuri/shinjou.html)。
まつりは初日を「宵まつり」、2日目を「本まつり」、最終日を「後まつり」とし、それぞれ異なる趣向で進行します。宵まつりでは電飾でライトアップされた山車が夜の街を彩り、本まつりでは新庄藩の武士に扮した総勢200名余りの神輿渡御行列が加わります。後まつりでは飾り山車として20台全ての山車が中心商店街に一堂に展示され、まつりのフィナーレを迎えます【yamagatakanko.com】(https://yamagatakanko.com/festivals/detail_2991.html)。
歴史・由来
新庄まつりの起源は、江戸時代中期の宝暦6年(1756年)にさかのぼります。前年の宝暦5年(1755年)に大凶作に見舞われ、多くの餓死者が出たため、時の新庄藩主・戸沢正諶(まさのぶ)が餓死者の霊を弔い、五穀豊穣を祈願するとともに領民を奮い立たせようと、天満宮の祭礼を領民あげて行ったことに由来すると言われています【pref.yamagata.jp】(https://www.pref.yamagata.jp/020026/kensei/shoukai/yamagatamonogatari/matsuri/shinjou.html)。藩主は城下の町人に命じて各町内から飾り物を出させ、城下を巡行させたのが始まりと伝えられています【kunishitei.bunka.go.jp】(https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/302/00000853)。
この行事は、近世に領主によって始められたという起源伝承をもち、明治になるまで領主の庇護のもとに祭りが行われてきました。新庄藩主・戸沢家の氏神である天満神社は城内に祀られ、戸沢神社は初代藩主政盛と11代藩主正実を祀る神社であり、護国神社とともに旧城内に祀られて氏子のいない神社である点が特徴的です【kunishitei.bunka.go.jp】(https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/302/00000853)。このような藩主主導の祭礼起源は、我が国の祭礼行事の中でも特徴的な事例とされています。
1962年(昭和37年)には灯籠によるライトアップが始まり、その後発電機を山車に仕込んで電飾によるライトアップが行われるようになりました【ja.wikipedia.org】(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%BA%84%E3%81%BE%E3%81%A4%E3%82%8A)。市内の道路が舗装される前はデコボコの道路を砂塵を巻き上げながら山車が運行され、まるで人形が生きているように見えたと伝えられています。2006年には250周年を迎え、その記念として27日も山車の運行が行われました。
2016年11月30日、「山・鉾・屋台行事」のひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました。2019年は3日間で過去最高とされる56万人の人出がありましたが、2021年は新型コロナウイルス感染対策のため規模を縮小して2年ぶりに開催しました【ja.wikipedia.org】(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%BA%84%E3%81%BE%E3%81%A4%E3%82%8A)。2022年には3年ぶりとなる山車行列などを繰り広げ、3日間で33万人が訪れましたが、新型コロナウイルス拡大前の2019年と比較すると58%の人出でした。
見どころ
山車(やたい)の手作り細工 山車に使われる五重塔や館などの建物、山や滝、波しぶき、桜、松などの自然景観、さらに登場人物や動物の人形、衣装や小物にいたるまで、すべてが若連の創意工夫による手作りです。この伝統は代々受け継がれ、人形の頭や手足は100年以上にわたりまつりを支えてきた人形師・野川家が手掛けています【pref.yamagata.jp](https://www.pref.yamagata.jp/020026/kensei/shoukai/yamagatamonogatari/matsuri/shinjou.html)。歌舞伎の名場面や歴史絵巻を再現した山車は一台一台趣向を凝らし、見る者を物語の世界へ誘います。
宵まつりのライトアップ 24日の宵まつりでは、日が暮れ始めた夕刻に子どもたちに曳かれて山車が動き出します。照明に照らされた歴史絵巻が宵闇に浮かび上がり、幽玄の世界が広がります【pref.yamagata.jp](https://www.pref.yamagata.jp/020026/kensei/shoukai/yamagatamonogatari/matsuri/shinjou.html)。響き渡る「チェレンコヤァッサー!!」という元気な掛け声と囃子若連が奏でる華やかな音色が、まつりの熱気を一層高めます。
神輿渡御行列 25日の本まつりでは、新庄藩の武士に扮した総勢200名余りの神輿渡御行列が新庄城址にある戸澤神社を出発します。足軽の息のあった足さばきや傘回しの妙技など数多くの見どころがあり、古式ゆかしい行列が藩政時代をしのばせます【yamagatakanko.com](https://yamagatakanko.com/festivals/detail_2991.html)。山車の巡行には電線に引っかからないよう長い棒を持った「電線上げ」役が付くのも、山車まつりならではの恒例の風景です。
鹿子踊り(かしこおどり) 新庄城址で踊られる風雅な萩野鹿子踊りと仁田山鹿子踊りは、新庄北部に古くから伝わる五穀豊穣を祈願する踊りです。25日には最上公園で奉納され、優雅な所作と伝統的な衣装が来場者の目を引きます【yamagatakanko.com](https://yamagatakanko.com/festivals/detail_2991.html)。この踊りはまつりの静寂な一面を象徴し、豪快な山車行列との対比を生み出します。
新庄囃子の合同演奏 各若連に付く囃子は近郊の集落が担当し、笛、太鼓、鉦、三味線で構成されます。曲目は「寄せ笛」「宿渡り(すくわたり)」「羯鼓(かっこ)」「二上がり」の4曲があり、24日朝には戸澤神社・天満宮・護国神社で奉納演奏が行われます【visityamagata.jp](https://www.visityamagata.jp/event-shijo-shinjomatsuri/)。25日には駅前ふれあい広場で合同演奏会が開かれ、囃子のリズムと若連衆のいなせな法被姿が街の賑わいを増幅させます。
飾り山車の展示 26日の後まつりでは、飾り山車として20台全ての山車が中心商店街に一堂に展示されます。見上げても足りないほどに背の高い山車がずらりと並ぶ様は圧巻で、まつりの締めくくりにふさわしい光景です【pref.yamagata.jp](https://www.pref.yamagata.jp/020026/kensei/shoukai/yamagatamonogatari/matsuri/shinjou.html)。夕刻の手締式で閉幕し、熱いまつりの余韻が来年への決意を新たにさせます。
開催情報・アクセス
- 開催日時:毎年8月24日(宵まつり)、25日(本まつり)、26日(後まつり)の3日間。2025年は8月24日(日)~26日(火)に開催予定【yamagatakanko.com](https://yamagatakanko.com/festivals/detail_2991.html)。
- 会場:山形県新庄市中心市街地。主要な巡行ルートは新庄駅前通り、本町通り、中央通りなど【visityamagata.jp](https://www.visityamagata.jp/event-shijo-shinjomatsuri/)。
- アクセス:東北中央自動車道「新庄IC」から車で約5分。公共交通機関ではJR新庄駅から徒歩圏内【yamagatakanko.com](https://yamagatakanko.com/festivals/detail_2991.html)。
- 駐車場:新庄駅東口駐車場を推奨。まつり期間中は周辺道路の交通規制があるため、公共交通機関の利用が推奨される【yamagatakanko.com](https://yamagatakanko.com/festivals/detail_2991.html)。
- 有料観覧席:新庄駅前ふれあい広場「アビエス」に設置。20台すべての山車を間近で鑑賞できる。受付は先着順で、早目の予約が推奨される【yamagatakanko.com](https://yamagatakanko.com/festivals/detail_2991.html)。
- 問い合わせ先:新庄まつり実行委員会、電話番号0233-22-6855【yamagatakanko.com](https://yamagatakanko.com/festivals/detail_2991.html)。最新の開催日程や実施可否は公式サイトで確認すること。
周辺情報
新庄まつりの会場となる新庄市は、山形県北東部の新庄盆地のほぼ中央に位置し、東は奥羽山脈、西は出羽山地に囲まれた小盆地です。冬は大量の雪が降る豪雪地帯であり、近世には新庄藩の城下町として栄え、明治以降は最上郡の中心都市として発展してきました【kunishitei.bunka.go.jp](https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/302/00000853)。市内には新庄城址(最上公園)が残り、まつりの重要な舞台となる戸澤神社や天満神社が鎮座しています。
まつり期間中は市内全体が熱気に包まれ、新庄駅周辺の商店街や飲食店も賑わいます。新庄駅前ふれあい広場「アビエス」は全ての山車が集結する中心的なスポットであり、有料観覧席からの鑑賞が推奨されています。また、新庄市は最上地方の観光拠点でもあり、周辺には温泉や自然景勝地が点在しています。
まつり以外の時期でも、新庄ふるさと歴史センター(新庄市堀端町4-74)では新庄まつりの歴史や山車製作の過程を学ぶことができます【pref.yamagata.jp](https://www.pref.yamagata.jp/020026/kensei/shoukai/yamagatamonogatari/matsuri/shinjou.html)。新庄市の観光情報は最上地域観光協議会のウェブサイトでも確認可能です。
関連情報
- 国指定重要無形民俗文化財:2009年3月11日、「新庄まつりの山車行事」として指定。保護団体は新庄まつり山車行事保存会【online.bunka.go.jp](https://online.bunka.go.jp/index.php/heritages/detail/293740)。
- ユネスコ無形文化遺産:2016年11月30日、「山・鉾・屋台行事」のひとつとして登録。全国33の行事が同時登録された【visityamagata.jp](https://www.visityamagata.jp/event-shijo-shinjomatsuri/)。
- 山車の台数:市内21か町から各1台ずつ、計20~21台の山車が出される。台数は年によって変動する場合がある【kunishitei.bunka.go.jp](https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/302/00000853)。
- 若連と囃子若連の分担:山車の製作と運行は町内の「若連」が担当し、囃子は近郊の農村集落の「囃子若連」が受け持つ。この分担は原則として変わらず、7月から囃子の練習が始まる【kunishitei.bunka.go.jp](https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/302/00000853)。
- 山車製作の期間:まつりの約2か月前から各町内に「山車小屋」と呼ばれる仮設小屋を設置し、骨組み作り、紙貼り、大道具・小道具づくり、色上げ、人形作りなどの作業が行われる。まつりの1週間前からは朝から晩まで山車小屋に詰めて製作が進められる【kunishitei.bunka.go.jp](https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/302/00000853)。
- 歴史的人出記録:2019年は3日間で過去最高の56万人の人出があった。2022年は33万人の人出があった【ja.wikipedia.org](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%BA%84%E3%81%BE%E3%81%A4%E3%82%8A)。
出典・関連リンク
- 📚 出典: Wikipedia, Wikidata (CC BY-SA 4.0)
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- 🌐 Wikipedia (English)
- 🔁 English version: Shinjō Matsuri